第五話『大事なこと』
決勝までの練習のエピソードを語る前に
大事なことを書いておきたい。
僕のダンスにおける"勝負"に対する考え方だ。
勝った人が他より上手い。
上手いから他の人より勝ってる。
勝っているから強い。
強いやつが勝つ。
まったくその通りで、間違っていないと思う人もいるだろう。
完全否定はしない。
でも、ダンスの場合、勝ったからと言って、
自分が上手いとも、強いとも限らない!
と僕は思っている。
漠然とした言い方だが、
ダンスはそんなに浅いものではないはずだ…きっと。
(シンプルな部分も多いし、それが魅力でもあるとも思っているよ)
そして、人と人とが真の目的で繋がったときに生み出す力は
とてつもなく価値があるということを、
僕たちはこの後の闘いで知ることになる。
振り返ると…、僕たちは決勝トーナメントの闘いの中でも
成長していたと言っても過言ではない。
自分で言うのも照れくさいが、その成長の源は、
間違いなく決勝までの
『くだらない、濃密な時間』
のお陰だった。
SATOSHI
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